• 6月 29, 2026

睡眠時無呼吸症候群について

「朝起きても疲れが取れない」「日中、急に眠くなることがある」「家族にいびきが激しいと言われた」――そんな症状に心当たりはありませんか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に何度も呼吸が止まる病気です。本人はほとんど気づかないまま、心臓や血管に長年にわたって大きな負荷をかけ続けています。耳鼻咽喉科は、のどや気道の専門科として、この疾患の診断・治療の中心的な役割を担っています。本コラムでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてわかりやすくご説明します。

■睡眠時無呼吸症候群って何?


睡眠中、舌の付け根や軟口蓋(のどの奥の柔らかい部分)が重力でたるみ、気道をふさぐことで呼吸が止まります。これを「無呼吸」と呼び、医学的には10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上繰り返される状態を睡眠時無呼吸症候群と診断します。

重症の方では、1時間に30回以上、つまり約2分に1回呼吸が止まっていることもあります。そのたびに脳と体が「酸素が足りない」と覚醒反応を起こすため、深い睡眠が取れず、翌朝に疲労感や眠気が残ります。

<夜間の症状>
激しいいびき・無呼吸・何度も目が覚める

<日中の症状>
強い眠気・集中力低下・倦怠感・頭痛

<長期的な影響>
高血圧・不整脈・生活習慣病の悪化

■放置するとどうなるか?


睡眠時無呼吸症候群は、単に眠りの質が悪くなるだけではありません。繰り返す低酸素状態が全身の臓器に慢性的なダメージを与え続けます。

・心臓、血管
高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中のリスクが著しく上昇します。

・代謝、内分泌
糖尿病の血糖コントロールが悪化しやすくなります。

・認知、精神
記憶力・判断力の低下、うつ症状との関連が報告されています。

・社会的リスク
居眠り運転による交通事故は、健常者の7倍ともいわれています。

■受診の目安


□ 家族や同室者に「いびきがひどい」「呼吸が止まっている」と言われたことがある
□ 十分眠ったはずなのに、朝起きると体が重い・疲れている
□ 日中、会議中や車の運転中に強い眠気を感じる
□ BMI 25以上、または首まわりが太めと感じる(男性43cm以上、女性38cm以上が目安)
□ 高血圧・糖尿病・不整脈を指摘されており、なかなかコントロールできていない
□ 鼻がよく詰まる、慢性的な鼻炎がある

■診断の流れ


「検査のために入院しなければならない」と思っていませんか?初回のスクリーニング検査は、自宅で行える簡易検査が基本です。

① 受診・問診 
いびきの程度、日中の眠気(エプワース眠気尺度)、生活習慣などを確認します。
② 簡易睡眠検査(自宅) 
指先にセンサーをつけて眠るだけ。2晩行って頂き翌朝返却いただくと、無呼吸の回数・酸素飽和度が測定できます。

③ 結果説明・重症度判定 
AHI(無呼吸低呼吸指数)をもとに軽症・中等症・重症を判断し、治療方針を決定します。

当院では、一定の数値以上の方への治療として、CPAP療法を行っております。
就寝中にマスクを装着し、呼吸に合わせて圧をかけて空気を送り込み、呼吸を補助する治療です。
保険適用で月1回の受診が必要です。
即効性が高く、多くの患者さんで劇的な改善が見られます。

■よくある質問


Q. CPAPは一生続けなければなりませんか?
体重減少や鼻の治療により、症状が改善して治療を終了される方もいます。ただし基本的には長期使用が推奨されており、月1回の受診で経過を確認しながら継続します。

Q. 子どもでも睡眠時無呼吸症候群はありますか?
あります。お子さんの場合、扁桃腺・アデノイドの肥大が原因となることが多く、手術で大きく改善するケースも多いです。いびきや口呼吸が気になるお子さんはぜひご相談ください。

Q. CPAPの費用はどのくらいですか?
保険適用(3割負担)の場合、月の費用はレンタル機器代と診察料合わせておよそ5,000〜6,000円程度が目安です。月1回の定期受診が保険適用の条件となります。

Q. いびきをかかなければ大丈夫ですか?
必ずしもそうではありません。「無音の無呼吸」といって、いびきをほとんどかかずに呼吸が止まっているケースもあります。日中の眠気や疲労感が続く場合は検査をお勧めします。

■まとめ


名古屋市天白区のすずきクリニック耳鼻咽喉科では、睡眠時無呼吸症候群の治療を行っております。
自宅でできる簡易検査から始められますので、入院の必要はありません。「自分がそうかどうかわからない」という段階でも、遠慮なくお越しください。いびきや眠りでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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