- 6月 29, 2026
舌下免疫療法について
毎年、花粉の季節になるたびに「今年こそ何とかしたい」と思いながら、気づけば薬でやり過ごしている――そんな患者さんが増えています。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体に慣れさせていく治療法です。継続することで、症状そのものを軽くしたり、薬の量を減らしたりすることが期待できます。本コラムでは、舌下免疫療法についてわかりやすくご説明します。
■舌下免疫療法って何?
抗ヒスタミン薬や点鼻薬は「アレルギー反応が起きたあとの症状」を和らげる薬です。効果は確かですが、飲み続けるかぎり薬に頼ることになります。
一方、舌下免疫療法は「なぜアレルギーが起きるか」という原因に働きかけます。アレルゲンエキスを舌の下に投与し、免疫システムを少しずつ「慣れ」させることで、過剰反応を抑えていきます。根本的な体質改善を目指す治療です。
<対象アレルゲン>
スギ花粉・ダニ(ハウスダスト)
<治療期間の目安>
3〜5年間(毎日自宅で継続)
<処方・保険適用>
5歳以上の方であれば健康保険が使えます
■治療の流れ
① 初回受診・検査
アレルギー検査でスギ・ダニへの感作を確認し、治療の適応を判断します。
② 初回投与(院内)
初めての投与はクリニックで行い、30分ほど院内で経過を見守ります。副反応がなければ自宅投与へ移行します。
③ 自宅での毎日投与
朝食前などに舌下へ薬を置き、1分保持してから飲み込みます。所要時間は数分程度です。
④ 月1回の定期受診
症状の変化・副反応の確認・薬の処方を行います。
⑤ 3〜5年で治療終了
継続により症状の軽減・根治が期待できます。効果には個人差があります。
■知っておいていただきたいこと
多くの方は口の中のかゆみや腫れ感などの軽い局所症状が最初のうちに見られる事があります。
ほとんどは数週間以内に落ち着いていきます。
まれではありますが、全身のアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。
そのため初回投与は必ず当院で行い、投与後30分は院内でお待ちいただきます。体調不良時・発熱時・激しい運動後の投与は避け、異常を感じたらすぐにご連絡ください。
また、スギ花粉症の方は花粉シーズン中に治療を新規開始することができません。スギの場合、新規開始は6月〜11月頃(花粉飛散シーズン外)となります。
■よくある質問
患者さんからよくいただくご質問
Q. 効果はいつ頃から感じますか?
8割くらいの方に効果があるとされ、早い方では数ヶ月から半年で効果が実感されますが、1〜2年後に実感される方もいるため焦らず継続することが大切です。
Q. 子どもでも受けられますか?
5歳以上から保険適用で受けることができます。小さいお子さんでも舌下に薬を置いてしばらく待つだけなので、注射に比べて負担が少ない治療です。
Q. 途中でやめてしまったらどうなりますか?
効果が出始めていても、中断すると症状が戻ることがあります。3~5年程の治療をお勧めします。そのため、生活環境が安定している時期に始めることをお勧めします。
■まとめ
名古屋市天白区のすずきクリニック耳鼻咽喉科では、毎年花粉症に悩まされている方やダニ(ハウスダスト)のアレルギー症状でお困りの方へ舌下免疫療法を行っております。
舌下免疫療法はすべての方に適用できるわけではありません。まずは受診いただき、症状の程度・アレルギー検査の結果をもとにご一緒に判断しましょう。「自分に合うかどうか相談したい」というだけでも、お気軽にご相談ください。