診療案内
花粉症
花粉症とは
アレルギー性鼻炎の中でもスギ・ヒノキなどの花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こすものを花粉症と言い、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。
現在日本人の4人に1人が花粉症とも言われており、春のスギ・ヒノキ、春から夏にかかけてのイネ科の雑草、秋のキク科の雑草など、花粉の種類は様々です。
原因
花粉に対するアレルギーのある方が、鼻から花粉を吸い込むことで、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状を起こし、目の中に花粉が入ると目のかゆみなどの眼症状も起こします。
また、のどや気管支に花粉を吸い込むと、のどのかゆみや咳の症状を起こします。
治療法について
薬による治療
薬による治療が一般的で、内服薬、鼻にスプレーする点鼻薬などを症状に合わせて用います。
また、花粉が飛び始めて症状が出る前に薬の服用を始めることで、飛散シーズン中の症状を抑えることが可能になります。これを初期療法と言います。
抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
最も一般的に使用されている薬剤になります。十分な効果が出るのに1週間くらいかかります。以前は、眠気、集中力の低下、のどの渇きなどの副作用が問題点でしたが、近年では副作用をかなり抑えたお薬が出てきております。
ステロイド点鼻薬
効果が強く、1〜2日で効き目が現れ、長期連用することにより効き目が増してきます。
副腎皮質ホルモンを含んでいますが、いずれも微量で局所効果が強く、吸収されにくく、吸収されてもすぐに分解されるため、1年以上の連用でも全身的副作用は少なく、高い効果が期待できます。
血管収縮剤
多くの市販の点鼻薬に含まれている成分になります。速効性があり鼻づまりに対して良く効きますが、長期で使うと薬剤性鼻炎を引き起こし、かえって鼻が詰まるようになってしまうので短期間の使用をすすめています。
手術による治療
薬による治療で効果が少ない場合や薬の服用を出来るだけ減らしたい場合に、手術による治療もおこないます。
一般的におこなわれている手術は、レーザーなどで鼻の中の下甲介という場所の粘膜を焼く下甲介粘膜レーザー焼灼術です。この手術は、日帰りで出来る治療法で、約20分程度で終わります。
ご希望の方には、予約制でおこなっております。
舌下免疫療法
舌下免疫療法とはスギ花粉症の新しい治療方法です。アレルギーの原因であるスギ花粉の薬を舌下より体内に少しずつ取り入れて、体をスギ花粉に慣れさせる治療方法です。3~5年継続して薬を投与することが必要ですが、自宅で治療ができ、花粉症を根本的に治したい方はおすすめです。
アレルギー性鼻炎の自然治癒率はさほど高くなく、特にスギ花粉症の自然治癒率は数%とされていますので、毎年スギ花粉症でお困りの方は検討されると良いと思います。
抗原除去
スギ花粉対策(原因物質を回避できれば症状も軽くなります)
- 花粉情報を確認する。
- 外出時はマスク、メガネを使用する。
- ウールなどの花粉がつきやすい服は着ない。
- 花粉症の時期は洗濯物の外干しを避ける。
- 窓や戸は閉めて、換気は短時間にとどめる。
抗IgE療法(ゾレア®注射薬)
上記の抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬や舌下免疫療法など、既存の治療では十分な効果が得られない、重症なスギ花粉症の方に適応の新しい治療薬です。
花粉症は、侵入してきたスギ花粉(抗原)に対して、抗原と結合する性質を持つ抗体(IgE)が体内で作られます。
この抗原と抗体が、アレルギーに関わるマスト細胞に結合すると、アレルギー反応を起こすヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカインが産生・放出され、鼻水、鼻詰まり、目の痒みなどが起こります。
ゾレア®はIgEと結合し、マスト細胞と結合できなくすることで、アレルギー反応を元から抑えていきます。