鼻中隔湾曲症とは

鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)は、鼻の内部にある左右の鼻腔を分ける仕切り「鼻中隔」が曲がってしまい、日常生活に支障をきたす症状が現れる病気です。
鼻中隔は薄い骨と軟骨で構成されており、通常は左右対称に近い形状をしています。しかし、これが大きく曲がってしまうと、片方の鼻腔が狭くなり、空気の通り道が塞がれてしまいます。
鼻中隔が多少曲がっていることは多くの人に見られる一般的な特徴で、特に症状がない場合は治療の必要はありません。しかし、曲がりが強い場合には、鼻詰まりや嗅覚障害、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎を悪化させるなど日常生活に影響を与えるため、耳鼻咽喉科での診断と治療が必要になります。

原因

鼻中隔彎曲症の主な原因は、成長過程での骨と軟骨の成長スピードの違いです。成長期に鼻中隔を構成する軟骨が周囲の骨に比べて速く成長すると、空間が狭くなり、軟骨が曲がってしまうことがあります。この現象は特に思春期に多く見られます。また、外傷や鼻の手術のような外的な要因が原因となることもあります。
幼少期には鼻中隔の彎曲があまり目立ちませんが、成長に伴って症状が顕著になることが一般的です。成人後に発見されるケースが多く、子どもの頃は気づかないこともあります。

症状

鼻中隔彎曲症の最も代表的な症状は鼻詰まりです。特に片側の鼻が詰まりやすくなることが特徴です。これに加えて、次のような症状が現れる場合もあります。

鼻中隔弯曲が強いと鼻の中の風通しが悪く、細菌が増えやすい環境になります。この結果、副鼻腔炎(蓄膿症)が引き起こされやすく、治りも悪くなります。また、アレルギー性鼻炎の症状が悪化する原因ともなります。
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さらに、鼻呼吸が困難になると口呼吸が習慣化し、喉の乾燥や炎症を繰り返す原因にもなります。

治療

鼻中隔彎曲症の治療方法には、症状の軽減を目指す対症療法と、原因を根本的に取り除く手術療法があります。

手術療法

鼻中隔矯正術という手術が唯一の治療法となります。この手術では、鼻中隔の曲がった部分を切除したり形を整えたりすることで、空気の通り道を広げます。手術は鼻の内部から行われるため、外から傷跡が見えることはありません。
なお、この手術は成長期が終わった15~18歳以降の患者を対象としています。成長中に手術を行うと、鼻や顔全体の骨格に悪影響を与える可能性があるためです。

対症療法

手術が難しい場合や症状が軽い場合には、薬を使った対症療法が行われます。抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などを使用して、鼻詰まりや炎症を抑えることで症状を緩和することができます。

鼻中隔彎曲症は放置しておくと生活の質を低下させることがありますが、適切な治療を受けることで改善することが可能です。鼻詰まりやいびきなどの症状が続く場合は、専門医に相談してみましょう。