副鼻腔炎(ちくのう症)とは

副鼻腔炎とは、鼻の周囲にある空洞部分である副鼻腔が炎症を起こす疾患です。
副鼻腔は頬(上顎洞)、おでこ(前頭洞)、目と目の間(篩骨洞、蝶形骨洞)の骨の中に位置する空洞で、鼻腔とつながっています。
この部分が細菌やウイルス、アレルギー反応などの影響を受けて炎症を起こすと、副鼻腔炎と診断されます。
急性副鼻腔炎とは
急性副鼻腔炎は、比較的短期間で症状が現れ、通常1か月以内に改善することが特徴です。
鼻水、鼻つまりや後鼻漏、嗅覚障害に加え、炎症の強さによって発熱、頭痛、頬の痛み、目の奥の痛みなどの症状を伴います。
慢性副鼻腔炎とは
慢性副鼻腔炎は、8週ないし12週間以上にわたって症状が続く状態を指します。
急性副鼻腔炎から続いて起こることが多く、症状は急性に比べ緩やかではありますが、鼻水、鼻つまり、後鼻漏、頭重感、慢性的な咳などの症状が長く続き、倦怠感や集中力の低下など生活の質に影響を及ぼす場合があります。
お子さんで鼻水、鼻つまり、咳が続く場合、副鼻腔炎になっていることもしばしばあります。
原因
主な原因は、ライノウイルス、アデノウイルスやインフルエンザなどのウイルス感染により副鼻腔に炎症が起こり、これに加えて、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌感染が最終的に加わり、治療が必要な状態になります。
アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症なども原因の一つとなり、慢性化の要因にもなります。
検査
まずは鼻の中を観察して鼻の詰まり具合や膿の状態を見ます。
必要に応じて内視鏡カメラで詳しく観察し、鼻茸の有無や膿の流出経路、鼻中隔弯曲の程度などを確認していきます。次にレントゲンでの画像評価も行いますが、後述するような特殊な副鼻腔炎(◎)を疑う場合にはCT検査でより詳しく精査していきます。
治療
急性副鼻腔炎の治療は、主に抗生物質や去痰剤の薬を内服する薬物療法が一般的で、必要に応じて抗アレルギー薬や点鼻薬を併用していきます。
また、急性期の膿のような鼻水は粘稠で鼻をかんでもなかなか出てこず、鼻が詰まって苦しいものです。
そのような時は耳鼻科に受診して鼻の奥までしっかり吸い出してもらい、ネブライザー治療も併用することで治りが早くなります。
適切な対応を行えば、通常は2〜3週間で改善が見込めます。
慢性副鼻腔炎の治療は、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与を中心に3か月程度行っていきます。
それでも治らない場合は手術治療をお勧めしますが、手術までしたくないという方は去痰剤や漢方薬で経過を見ていくこともあります。
歯性上顎洞炎
歯の根っこからの感染が原因で起こるため、上顎洞(頬)に限って起こる副鼻腔炎です。
むし歯により根っこの骨が溶けたり、抜歯した所の傷が塞がらず穴が開いてしまって感染源となり、症状は通常の副鼻腔炎の症状に加え、歯の痛みを伴うことが多く見られます。
治療は抗生物質の治療で炎症を抑えていきますが、根本的には歯の治療が必要となります。
副鼻腔真菌症
カビ(真菌)が原因となる副鼻腔炎で、アスペルギルスという真菌が最も多く、ムコール、カンジダなどがそれに続きます。
抗生物質の治療は効果がないため、真菌の塊を取り除く手術が必要となります。
糖尿病の方やステロイド治療、抗がん剤治療中の方や高齢者などでは時に急激に悪化して、眼窩内、頭蓋内に進展し重篤な状態になることがあります。
好酸球性副鼻腔炎
難治性の副鼻腔炎で難病指定となっている副鼻腔炎です。
両鼻に多発性の鼻茸ができ、病変は篩骨洞(目と目の間)が中心で、粘り気の強い鼻水、鼻詰まり、嗅覚障害などが主な症状で、アレルギーの関与が指摘されており気管支喘息を持っている方が多いとされています。
治療はステロイドの経口薬で効果がありますが、長期で内服すると副作用が強いとされ、手術をしても再発するためコントロールが難しい病気です。
最近では炎症を引き起こすサイトカインを抑える生物学的製剤が使用されるようになり、その効果が期待されています。





