難聴とは

難聴とは、音や声が聞こえづらくなる状態を指し、多くの場合、加齢に伴う現象として捉えられがちです。しかし実際には、年齢に関わらず、様々な原因で難聴が起こり得ます。難聴の種類や原因を理解し、適切な対処法を知ることは、自分自身だけでなく、周囲の人々とのコミュニケーションを円滑にし、豊かな生活を送る上で非常に重要です。
難聴の種類と特徴
難聴には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
- 伝音難聴:外耳や中耳に問題があり、音が内耳にうまく伝わらない状態。耳垢栓塞、外耳炎、中耳炎などが原因として挙げられます。
- 感音難聴:内耳、聴神経、脳に問題があり、音が正しく認識されない状態。突発性難聴、メニエール病、先天性難聴、老人性難聴などが含まれます。
- 混合難聴:伝音難聴と感音難聴の両方の要素が組み合わさった状態。
- 機能性難聴:耳には原因となるような異常がないにも関わらず、聴力検査では難聴と診断されます。学童期や思春期に多く見られ、ストレスや環境の変化が原因となることがあります。ABR(脳波)検査で異常がないことを確認し、心配ないことを伝えます。
改善しない場合には心療内科への相談や、ストレスの原因を取り除くための環境調整などが有効です。
感音難聴
1.突発性難聴
原因不明の難聴で、突然片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴りや耳閉感、めまいなどを伴うこともある病気で、30代~60代の現役世代に多く見られます。発症後2週間以内の治療開始が重要で、ステロイド剤や血流改善薬、ビタミン剤などによる薬物療法が行われます。
元通りに聞こえるようになるのは1/3の方で、2/3の方々は全く改善しない、あるいは少し良くなるが元通りまでは改善しないため早めの受診、治療が重要です。
2.メニエール病
難聴、耳鳴り、めまい症状を繰り返す病気で、ストレス、疲れ、寝不足などにより内耳のリンパ液がむくむことで症状が発症します。
治療は利尿剤や血流改善薬、ビタミン剤などを用い、生活指導としては適度な運動、十分な水分摂取、規則正しい睡眠が有効とされています。
3.音響外傷
大きな音にさらされることで起こる難聴。ライブや耳元で大きな音が鳴った直後から難聴、耳閉感、耳鳴りが起きる急性のものから、イヤホンの長時間使用により10年、20年後に影響が出てくるものがあり、急性の場合はすぐに治療することで治る可能性もありますが、徐々に聞こえが悪くなって場合は治療方法がありません。
音響外傷は予防が重要で、大きな音を避ける、イヤホンの音量を控えめにするなどの対策が必要です。
4.老人性難聴
加齢に伴い、内耳の有毛細胞や脳神経系の機能低下が起こり高音域から徐々に聞こえが悪くなり、通常左右対称です。音が聞こえても何を言っているのか聞き分けられないなど、言葉の判別機能も損なわれてきます。
65歳以上で増加し、75歳以上では約半数の人が罹患すると言われています。
難聴は認知症の原因の一つでもありますので、早めの補聴器装用が有効です。
5.先天性難聴
生まれつき難聴がある状態で、約1000人に1人の頻度で認められます。
遺伝性や母親のウイルス感染症によるものが主で、早期の発見と適切な療育が重要です。
新生児聴覚スクリーニング検査などで早期発見に努め、補聴器の装用や手話などの療育や人工内耳手術などを検討します。
6.APD(聴覚情報処理障害)
聴力検査では問題はないものの、騒音下での聞き取りや複数人での会話、早口などで聞き取り困難を訴える状態。
治療できるものではないので、聞きやすい環境作りや周囲の理解と協力が重要で、ゆっくりと話してもらう、静かな場所で話すなどの配慮が必要です。
治療
難聴の治療法は、その原因や種類によって異なります。
- 伝音難聴:耳垢除去、薬物療法、手術など
- 感音難聴:薬物療法、補聴器、人工内耳など
- 混合難聴:原因となる疾患への治療、補聴器など
- 機能性難聴:ストレスの原因への対処、カウンセリングなど
難聴の多くは、早期発見・早期治療によって症状の改善が見込めます。聞こえにくさを感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。





